決着の時
「ということで、決まったわね」
かおりしゃんが結果を発表し終えたそのとき、一人の女が椅子から転げ落ちた。
「そんな・・・そんなバカなこと・・・だって、松崎は5人に当てられてるのよ!なんで私が・・・」
「確かに松崎は5人に見破られたわ。でも、それは逆に言えば、私たちの仲間であった証拠とも言える。逆に、誰にも見破られず、もっとも当てることができなかったあなたこそが、アシエンである可能性がもっとも高いというわけよ」
「・・・!」
「Amicyu Paniponi!あなたこそがアシエン・・・裏切り者のユダよ!さあ、観念しなさい!」
あなたは、量の手に滲んだ冷や汗を握りしめた。
かおりしゃんによって大きな黒いシートのようなもので覆いかぶされたAmicyuはモゴモゴとうめき叫び抵抗するも、レベル80の彼女の力には到底叶わない様子だった。
「このアシエンは私が責任もって然るべき制裁を加えておくわ・・・。それより、これで本当にみんなとの再会ができた気がするね」
かおりしゃんは微笑むと、見渡して言った。
周りのみんなも、安堵の表情を浮かべているようだ。
「じゃあ、改めて・・・404の再会の祝杯でもあげようか!みんな、グラスを持って!」
あなたは、琥珀色の液体の注がれた、淡いワイングラスを手に取る。
緊張の緩んだあなたに、違和感が訪れるのは、その液体を飲み干した後だった。
無味の、とろりとした液体。
遠い記憶にある、その液体の不思議な感覚はーあの時のー・・・。
あなたは、周りのみんなと同じように、大地に倒れた。
身体中に熱く焼け焦げるような感覚が訪れ、再び、意識が体から遠ざかっていく。
うっすらと視えた視界の端、俯くかおりしゃんの口の端は、笑っているようにみえた。
エピローグ
夜の港。その桟橋にはブラックシートに包まれた大きな何かと、ひとりの女性が立っていた。
女性はブラックシートを緩めると、その中に向けてぼそりと呟いた。
「ごめんね、ぺけぴー。でも、あなたが悪いのよ。一番成績が悪かったんだから・・・」
ブラックシートの中からは、悲鳴にも似た叫び声が漏れ出でる。
彼女は小さく首を降ると、シートの入り口を再び結んだ。
「さよならぺけぴー。404は絆のチーム。絆の強さを維持するにはね。綻びは切っていかないといけないの」
暗い水面に波紋が揺らいだ。
そして静かに、波紋は溶けて、消えていく。
あたりには静寂のみが訪れた。
「さて・・・帰るかなAnimaに。そろそろみんなも、転生してるころだよね!」
このサブ誰の子 in エオルゼア 完