これまでのあらすじ
森の都グリダニアに降り立ったイコプ
木こりになる夢を抱く
しかし木こりの最中、グリダニアにはびこる悪の気配を敏感に感じ取ったイコプ
正義の名のもとに悪を倒すことにする
そしてついに・・・
悪を滅したのだった!!
ストーリーのネタバレがあります
由緒正しき仮面
グリダニアを救ったイコプは、一介の冒険者の身分ながら、その功績を認められ重要なグリダニアの祭り、「大御霊祭り」の主役になることになりました。
ミューヌさんが言うには、そこでイコプは「精霊と人を繋ぐ架け橋」になるとのこと。そんな大それた存在に果たしてイコプザモンスターはなれるのでしょうか・・・重責に身が引き締まる思いです。
儀式の主役はこの仮面を身に着けるのが決まりとのことです。
ほうほう、さっそく被ってみましょう。
「どうですか?ミューヌさん」
「グッとくる・・・しびれるわ・・・」
「やはりそうですか」
「大御霊祭り」の始まり
そして、ついに祭りが始まります。
グリダニアのボス、「カヌ・エ様」に連れられて、神妙な面持ちでグリダニアを練り歩くイコプ。一見、罪人が連れられているようにも見えますが、罪と神はいつだって表裏一体、イコプのありあまる神性がそう感じさせるのでしょうね。
民の祝福を受けるイコプ。
その時でした。
うっ激しい頭痛が・・・意識が・・・遠のく・・・・
イコプの脳裏に、5年前の記憶が流れ混んできます。
それは、イコプの記憶では無いもの・・・カヌ・エを含む各国の王が経験した、凄惨たる過去の残滓。エオルゼアの歴史に刻まれし禍殃ー「第七霊災」と呼ばれる悲劇の光景でした。
蛮神バハムートに滅びゆくエオルゼアの世界・・・
バカな・・・こんな、こんな相手にプランとぺけぴーは勝ったというのか・・・?
レベル17くらいで・・・勝てる相手なのか・・・?
・・・
目を開けると、見慣れたグリダニアの木土で組まれた、宿の天井が見えました。
吹き出た冷や汗が、頬を流れるのを感じます。
どうやら、私は気を失っていたようです。
あれは・・・夢だったのか・・・いや、それよりも・・・
俺の髪の毛・・・どうなってるんだ・・・?!重力は・・・!?
「目が冷めたみたいね」
「はっミューヌさん・・・私はいったい」
「あなたは祭りの最中に気を失ってしまったのよ・・・、無理も無いわ、ここ最近冒険に明け暮れていたわけだから、疲れが溜まっていたのね」
「なるほど・・・悪い夢を見ていたようです」
「カヌ・エ様も心配されていたわ。落ち着いたら、ご挨拶に行くと良いでしょう。カヌ・エ様からもお話があるそうよ」
「承知しました」
グリダニアの盟主
私は宿を出ると、さっそくカヌ・エの元に向かいました。
カヌ・エは私の無事に安堵の様子を見せると、優しい微笑みの中に凛とした決意をたたえ、私に語り始めました。
「カ・ヌエよ。この許可証、確かに受け取った」
ついに飛空挺のチケットをもらったイコプ。やりました!
カヌ・エはどうやら私に密書を郵送する役目を果たしてほしいと思っているようですね。
主に木こり、ときどきヒーラーである一介の冒険者の私に、国家間の伝令を頼むとは・・・我ながらそこまで信頼されていることに驚きです。
まあ、良いでしょう!私に任せてください!
私も飛行機には乗ってみたいですし!
そうして、密書を受け取ると、カヌ・エは表情を緩めました。
そして、イコプに言いました。
カヌ・エ・・・・・様・・・!
・・・はい!!
俺、俺・・・世界を感じてきます!
旅立ちの時
カヌ・エ様のカリスマ感溢れるセリフに、すっかり冒険者としての気持ちが高まったイコプ。
そうだ、私は冒険者だった。
この広いエオルゼアの世界を冒険すること、それが俺の本分だったんだ。
「世界を見てくるのです」
彼女はそう言った。
わかりました、カヌ・エ様。
イコプ・ザ・モンスターはこの広い世界を見て回ってきます。
そしていつかこのグリダニアに帰ってきましょう。
その時は、一回りもふた回りも成長した私の姿をお見せすることを、約束します!
イコプは、飛空挺のチケットを握りしめた。
しかし、飛行場に向かうその前に、ふと思い立つ。
そうだ、短い間だったけれど、このグリダニアで世話になった何人もの人たち・・・
彼らに、挨拶をしなくては。
ミューヌさん・・・何もわからない私に、色々教えてくれてありがとう。
あなたがいたから、ここまでやってこれた・・・
最後まであなたの性別はわからなかったけど・・・
「僕」っ子の女子、ってことでよかったんだよね・・・?
ギルドマスター・・・そういえばこの板渡すの忘れてました・・・
そんな喜んでくれるとは思いませんでした・・・
もっと早く渡せばよかったですね・・・
またいつかグリダニアに帰ってきたら、もっとでかい板作ってきますからね!!
「チゴー・・・お前は本当俺が木を削ってるのを見るのが好きだよな」
「チゴォー」
「ははっ・・・そうだよな。でもな、チゴー、俺、もう行かなきゃいけないんだ」
「チゴォー?」
「違うんだよ、今日だけじゃない、しばらく、ずっと・・・さ」
「チゴォー!?チゴォー・・・」
「そうさ、でもいつか、帰ってくるから・・・それまで、お前と過ごしたこの森の事、絶対忘れないから」
「チゴ!」
「はは、そうか!ありがとうな・・・じゃあ、最後の木だ!派手に行くぜ!お前もその目に、焼き付けておいてくれよ・・・俺のこの、木削を!!」
ボフォン!
「チゴッ!!チゴッ!」
「ははっ・・・!またな、チゴー!!」
いざ、新世界へ
グリダニアにやり残したことは、無い。
私は日の出を見つめながら、この日の為に用意した、一張羅の装備を身にまとった。
今の私にできる、最大限の正装である。
旅立ちの日にふさわしい格好をしたつもりだ。
旅立ちの日は、誰にも言っていなかった。
言えば、きっと悲しくなるから。
これが最後の別れじゃ無い。
だから、俺は静かに旅立つよ。
そしていつか戻ってきた時、みんな、楽しく俺を迎えておくれ。
朝1番の空港は人影もまばらで、静かに飛空挺のエンジン音だけが響いている。
私は、飛空挺に乗り込むと、最後にもう一度、グリダニアの地を振り返った。
「グリダニア・・・短い間だったけれど・・・俺を育ててくれてありがとう」
出航の時を待つ間。
私の心に、グリダニアの思い出が、走馬灯のように蘇ってきた。
そこには、数々の出会いがあった。
「あなたも・・・冒険者なの?」
「そうさ、俺はイコプ!世界一のヒーラーになる男だ!」
「世界一・・・?ふふっあなた、面白い人ね!」
「木を切るの。無心にね」
「それが・・・園芸士の仕事・・・?」
「そう、世に生える全ての木々を刈り尽くす・・・破壊こそ創造の母・・・イコプよ、行きなさい。この森を焦土と化すのです」
「待たせたなイコプ・・・死ぬなよ・・・俺がお前を守る!!なぜならお前は俺がこの世で唯一リスペクトする存在・・・!まさに神・・・・!そうだゴールド足りてるか・・・!?今すぐ送ろうか?10万でいい?」
「おいどんはサワッチ ふんどしを上手にしめることに関しては
右に出るものがいない男ですたい」
「ねえこのたこ焼き、2こタコ入ってた!!!!」
数々の出会いがあった。
それらが全て今、別れに変わろうとしている。
仮面の奥、イコプの目頭に熱く滴るものあった。
それを悟られまいと、頭を振るイコプ。
その時、添乗員の声が響いた。
「リムサ・ロレンサ行き飛空挺、出航します」
いよいよだ。
飛空挺のエンジン音が一つ、ギアをあげた。
ぐわん、と船が揺れる。
ゆっくりと、船は空に向かって動き出した。
ありがとう、グリダニア。
そしてしばらくの間、お別れだ。
私は、甲板に立ち、遠ざかるグリダニアを見つめ・・・
そこに広がる光景に、驚いた。
「イコプー!」
「元気でなー!」
「絶対戻ってこいよー!!」
「体に気をつけるクポー!」
みんな・・・!!どうして・・・!
私は必死で手を降る。
みんなの姿が、見えなくなるまで。
私は、グリダニアが遠く小さな点になるまで、ずっと手を振り続けてた。
ありがとう、みんな。
俺、立派な冒険者になって、絶対、このグリダニアに帰ってくるから・・・!
私は、飛空挺の甲板で、人目もはばからず泣いた。
彼らが遠ざかる中、ミューヌさんが最後に呟いた言葉が、胸の奥に暖かかった。
それは聞こえなかったけれど、なんて言っていたかは、はっきりとわかったんだ。
みんな、俺・・・
いってきます!!
次回予告
グリダニアを後に新天地に旅立ったイコプ!
しかし木工クエストと幻術士クエストのやり残しに気づいたイコプはデジョンを使う!
次回、光のイコプ第14話
「ただいま、グリダニア」
お楽しみに!
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